No.57 介護ヘルパーの資格を取るために専門の学校に通っている
私は現在、介護ヘルパーの資格を取るために専門の学校に通っている。
学校といっても2か月程度の期間だけの市が主催しているものだ。
30歳を過ぎてからもう一度、学生をやるとは想像をしていなかった。
机に座って先生の話を聞いたりクラスメイトと話をしたり、まるで青春時代が再び戻ってきたかのように錯覚しそうになる。
私がなぜ介護ヘルパーの資格を取ろうと思ったかというと、自分の両親がだんだんと歳を重ねていくのを見ていると、将来、しっかりと世話が出来るようになりたいと思ったからだ。
介護は簡単そうで、実はとても奥が深い。
例えば寝返りをさせるのも力づくにやっていては自分の体がもたない。
寝返りをさせる時のコツがあり、上手にやればあまり体力を使わないのだ。
介護ヘルパーの勉強は教室での座学だけではない。
実際にデイサービスセンターに出向いて実習をして様々な経験をする必要がある。
早速、先日、デイサービスセンターに初めて行ったのだが、自分の無力さを実感させられた一日だった。
確かに、座学で学んでいる知識は必要なのだが、それ以上に経験が大切だ。
お年寄りにも一人ひとり個性があって、皆さん同じというわけにはいかない。
だから食事の介護をするときにも、それぞれ要求することが違うのだ。
あるおばあちゃんは必ず温かいお茶を用意していて頻繁にのどを湿らさないと詰まりやすい。
また、別のおばあちゃんは出されたおかずをスプーンで小さく崩してあげないとやはり食べにくいそうだ。
デイサービスセンターでは、お年寄り一人ひとりの気持ちを察することが出来るように訓練された。
急に気分が悪くなったり泣き出したり、突発的に起こることに上手に対処できる応用力も必要だ。
そして、何と言っても一番大切なのは相手を心から思いやる気持ちだと教えられた。
その温かい気持ちがあれば、お年寄りの笑顔も自然と増えるということだ。