No.12 認定されれば介護用品のレンタルや住宅改修に補助も
母が足を骨折して入院した翌日、私と妻は介護用品のレンタルショップに足を運んだ。介護用のベッドや車椅子、歩行器などが所狭しと並べられている。私たちの話を聞いていた店員が、いくつか確認したいと言う。「お母様はおいくつですか?」73才です、いいえ、介護保険の認定は受けてはいません、今回怪我をするまではどこにも悪いところはなかったので。「それだと、まず介護認定を受ける必要がありますね。これは申請してから1ヶ月位かかりますから、すぐに役所に行かれることをお勧めします。認定されれば介護用品のレンタルや、住宅改修に補助もでますよ」
そういうことは知らなかったので、手帳にメモをする。認定されたランクによって、使える金額に差があること。申請の後、ケアマネジャーが確認に来ること。「とりあえず車椅子と松葉杖をお貸ししましょう。認定が降りたら介護保険が適用されますが、それまでは暫定ということで」暫定でも何でも必要な物なので借りないわけにはいかないし、チラッと見ていた金額は大したものではなかった。母の身長を伝え、料金を支払う。「明日にでも市役所に行って来よう」介護保険料は支払っていても、その中身については呆れる位何も知らないものだ、それだけ健康だったということなのだけれど。
一度家に戻って、昼食を摂ることにする。妻は病院に持参する着替えなどを用意し始めた。握りバーなどは取り付けているから、後心配なのは玄関部分の段差位か。これはホームセンターで何か見つけることが出来るだろう。食事が済んだら、早速市役所とホームセンターへ立ち寄ることにしよう。後母の好きな飲物やお菓子なんかも用意して行こう。今まで何事もなく過ごせて来られたことは、幸せなことだったのだ、つくづく思う。そして今回足の骨折だけで済んだことも。このことだけは間違えてはいけない、私は肝に銘じたのだった。